コーポレートガバナンスとは?目的やメリットをわかりやすく解説
昨今、企業の経営陣の不祥事が社会から注目を浴びることも珍しくありません。
経営陣の不祥事は、不祥事が直接起因して企業に損害を発生させるものであることが多いでしょう。
また、罰金などの対象とならない不祥事であっても、企業のコンプラアンスレベルの低水準が露呈してしまうため、あらゆるステークホルダーからのレピュテーションの低下と、これに基づく企業価値の低下をもたらすものとなります。
機関投資家の活動が活発化しているため、株主が企業の経営に対して影響力を持つようになっています。
つまり、株主は企業の経営に対して関心を強く持つようになっているため、不透明な経営や、不祥事があると、役員の変更などといった態度をとるようになります。
そこで、上記のような事態を避けるために、現在、コーポレートガバナンス、企業統治が注目されています。
このページでは、コーポレートガバナンスとは何か、その目的やメリットについてわかりやすく解説します。
コーポレートガバナンスとは
コーポレートガバナンスとは、企業統治と訳されることが多いもので、その目的は、企業経営の公正・適切な判断・運営のために経営陣を監視・統制して、透明性を確保することにあります。
その内容としては、以下のものが挙げられます。
① 執行役員制度を導入して業務の多くを委任する
取締役会設置会社においては代表取締役が、取締役会費設置会社においては取締役が具体的な業務を担当します。
これに対して、執行役員制度を導入して、執行役を設けることで、経営に関する管理と運営が分離し、監督を強化することが可能となります。
また、意思決定を行うことも可能となります。
なお、指名委員会等設置会社においておかなければならない執行役とは異なり、任意に置くものが執行役員となります。
② 社外取締役・監査役を設置する
社外取締役・監査役は、社外に置かれる機関であって、公正な第三者として、取締役・監査役の業務を行います。
社外取締役等がいることによって、会社の経営を適切に監督することができ、また、株主総会等において、報告を受けることが期待できます。
もって、会社経営の透明性が向上します。
③ 内部統制システムの設計
内部統制システムとは、日々の業務の中で違反行為や不祥事が発生しないように監視体制を整備して、報告の窓口を作るなどして、統制を行うシステムをいいます。
内部統制システムを適切に構築して、適切に運営することが求められます。
以上のほかにも、様々なコーポレートガバナンス強化の方法が考えられますが、これらを用いることで、企業の不祥事の発生を抑制し、また、透明性を向上することが期待できます。
コーポレートガバナンスを強化するメリット
コーポレートガバナンスを強化するメリットは、その目的である不祥事の回避を透明性の向上が挙げられますが、以下のようなものも挙げられます。
すなわち、不祥事を回避して透明性を向上することは、企業のレピュテーションの向上、経営陣が経営層の利益のみを追求することを防止し、業績の向上につながります。
これはひいては、中長期的な企業価値の向上につながります。
コーポレートガバナンスにお困りの方は坂・畠山法律事務所までご相談ください
以上のように、コーポレートガバナンスの強化には多くのメリットがあり、また、グローバル化、株主の影響力の向上が起こっている昨今においては、市場競争で勝ち残るために避けては通れない事項でもあります。
しかし、企業法務について専門性を有する弁護士に相談することなく行うと、適切なコーポレートガバナンスを設けることができず、目的を達成することができない危険性が高いでしょう。
不明点がある場合には、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
坂・畠山法律事務所は、企業法務を中心として法律問題全般を取扱分野としております。
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