職場内のモラハラ対策
近年ではコンプライアンスの重視に伴い、セクハラやパワハラと同様に職場内におけるモラハラも問題視されるようになってきました。また、2019年に厚生労働省が「職場におけるハラスメント関係指針」というガイドラインを作成し、2021年6月1日より職場のパワーハラスメント対策の義務化が決定されました。モラハラに類似したパワハラの対策が義務化される中で、企業も職場内における様々なハラスメントにどのように対処すれば良いかを考える必要が出てきています。
一般的なモラハラ(モラル・ハラスメント)の定義は「精神的な人格攻撃」などといわれます。もっとも、モラハラという言葉で指す事象は人により異なりますし、またモラハラがセクハラやパワハラと複合した形で行われることが多いです。パワハラと異なりモラハラについての公式な定義というものはありません。
しかしながら、前述したようにパワハラ対策が企業に義務化されることに鑑みれば、パワハラの萌芽とモラハラを位置付けることはできます。
モラハラの類型としては、
①暴力的な発言や悪口、陰口などの人格攻撃
②職場における無視などの孤立させるような行為
③私生活への過度な干渉
④仕事を奪ったり押し付けるなどの業務妨害
⑤面前での暴言などの職場環境の悪化
をあげることができます。
以上のようなモラハラが生じた際に企業はどのように対処すれば良いのでしょうか。モラハラをパワハラの萌芽と位置付けるならば、
①定期的に企業がハラスメント防止に関する啓発講座を設ける
②企業がハラスメントに関するオープンな相談窓口を設ける
③透明性を保持しながらハラスメントの相手の事情を聞き公平に厳重注意・謹慎処分・解雇などの決定を行う
ことが対処法になると考えられます。
重要なことは、企業が主体的にモラハラ・パワハラ・セクハラをなくそうと動かなければハラスメントは消えないということです。
ハラスメントなどの職場のトラブルがないことで企業活動もさらに促進されます。
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